詩人と音楽、自然と建物。小黒恵子さんと小黒恵子童謡記念館について。
4月1日、小黒恵子童謡記念館にて、リニューアル1周年を記念して、特別コンサート「かわさき うたのパレット」が開催されました。
小黒恵子さんの童謡をはじめ、川崎にゆかりのある作品を、記念館館長をされている笹子まさえさん(東京芸大大学院修了の先輩!)、新井ちほさん(賛助出演)、大森寿枝さん、公文理恵さんの、4名の歌手のみなさんが歌われました。
Piano Trio ET PUIS (エピュイ)(https://pt-etpuuis.com)として、賛助出演をさせていただきました。(ピアノ 大室晃子、ヴァイオリン 南條由起、チェロ 羽川恵子)
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小黒恵子童謡記念館は、Music & Arts Garden の企画コンサートシリーズで、昨年よりコンサート会場として利用させていただいています。また、今年1月には、記念館主催のミニコンサート(第9回)にもお招きいただき、出演させていただきました。
小黒恵子童謡記念館は、明治12年に建築の建物を、骨格をそのまま残して改築、1991年7月30日に、詩人・小黒恵子さんが開館されました。
小黒さんは、庭の緑と建物を一体とした童謡記念館として、いずれ公共機関に寄贈し、末永く存続させたいと、考えておられたようです。 (当時の資料より)
2014年4月1日に亡くなられ、川崎市に遺贈されました。
この美しい地球に生きる悦びと幸せを、そして緑の自然と生物への愛と平和の心を、童謡を通して伝えたい (by 小黒恵子さん)
いつも、記念館で演奏させていただく際、このメッセージが私の心に響きます。
記念館には、立派な建物、自然あふれるお庭、大きな古いオルゴール、蓄音機、小物、人形・・・ 小黒さんがお描きになれた絵画の他、自筆の原稿や手紙など、目に見える形で残されています。
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先月、アーリーバードコンサートにて、小黒さんの詩集「ユトリロの絵の中で」をとりあげさせていただきました。
(小黒さんが昭和50年にヨーロッパ五か国を旅し、その感動をスケッチ風にまとめたものです)
今は絶版の詩集、記念館はもちろんのこと、国会図書館にも保存されています。
コンサートは限られた時間内での構成でしたので、すべてをご紹介することはできませんでしたが、また機会をつくり、小黒さんの旅のスケッチを、Music & Arts Gardenの企画や、コラボレーションを通して、音楽とともにご紹介させていただけたらいいなと思います。
(コンサート当日は、記念館のご協力をいただき、通常展示室にある貴重な自筆資料を、コンサートのフロアに特別展示していただき、ご来場のみなさまにもご覧いただくことができました)
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小黒さんが執筆された記事などからは、自然を愛でる心にあふれ、また現代の環境への警鐘なども見受けられます。
童謡は子供のためだけのものではなく、「おとなのための童謡」としても広く伝わっていくと素敵ですね!
先日、熱海では、小黒さんが詩を手がけられた合唱組曲が32年ぶりに披露されたという記事を見ました。小黒さんもきっと喜ばれているでしょうね!
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4月1日、小黒さんの命日。
詩集「ユトリロの絵の中で」の中に、「もしも私が死んだら白い薔薇を一輪 わたしの墓にさして下さい そして 大好きなワインを墓標にかけて下さい」という一節があり、記念館で演奏させていただくにあたり感謝をこめて、ささやかですが、白い薔薇を一輪、赤ワインを捧げさせていただきました。
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~ご案内~
6月26日には、アーリーバードコンサート~午前の調べ~ Op.4 「朝のモーツァルト」(主催/Music & Arts Garden、後援/小黒恵子童謡記念館、「音楽のまち・かわさき」推進協議会)を開催いたします。
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